「魔法先生ネギま! 22」

魔法先生ネギま!(22) (講談社コミックス)

魔法先生ネギま!(22) (講談社コミックス)

今作を読んでいると、結構な頻度で「赤松先生って頭が良いんだろうなあ」と思わされます。ストーリー構成やキャラクター描写の細やかさもさることながら、王道を歩みつつもちょくちょくとお約束破りも入れていく、そのさりげなさに感嘆。


今巻でいうと、ラカンのセリフにその特徴が強く現れていたと思うのですよ。ネギの、父親への強すぎる憧憬と責任感を、「あのボーズは…メンドくせーな」の一言であっさりとまとめたり、あるいは、「忘れとけ。「本当に強く」とか「本物の強さ」とかな。そーゆーのは全部ただの言葉遊びだ」と、少年バトル漫画ではよく見かける「真の強さ」とやらもさっくりと否定して見せたり。


さらには、主人公で、基本的には純真少年であるネギに対して闇の魔法を勧めたりするのも新鮮でした。確かに、エヴァンジェリンの弟子ということで考えればその流れもありうるんでしょうけどね。単純に「光=善」「闇=悪」的な設定にはしていない。


表面的には軽いようで、その実しっかりとした幹があるから、ラブひなにしろネギまにしろ、大ヒット作になるのでしょう。すごいなあ。