「3×3EYES THE FINAL」

3×3 eyes the final (講談社コミックスデラックス)

3×3 eyes the final (講談社コミックスデラックス)

3×3EYES、それは僕にとっての青春の一冊でもありました。本書は、3×3EYESの完結を記念して出版されたインタビュー中心の企画物。完結が2002年なので、出てからもう6年にもなりますが、もう色々と懐かしさがこみ上げてきちゃいました。


正直、ラストのほうはそれほど面白いとは思いませんでしたし、お話自体が長くなりすぎ、広げすぎだった感は否めませんが、それでも高田先生のインタビューを読むと、15年にもわたって大河ドラマを書き続け、完結させたというそれだけで、すごい偉業だなあとあらためて感じるところであります。これは本作に限らず、全ての長編漫画にいえることなのでしょうけど。


とはいえ、やっぱり3×3EYESの興隆期は第1部と2部、含めても3部までかなとも思うわけで、特に綾小路ぱいが主役の第2部が白眉。これは多くの方も同意見なのではないでしょうか。綾小路ぱいの健気さと、ラストの悲劇性は今思い返しても泣けてきます。OVAも良い出来でした。林原さんパイは絶妙でした。


それだけに、綾小路ぱいの綾小路葉子としての再登場は嬉しい反面、ちょっと拍子抜けなところもありましたかね。特にその後、八雲やパイに対する恋愛面でのリアクションが薄かっただけに。

‐(インタビュアー)綾小路葉子を描かれるときに、「こいつはあの綾小路ぱいだったんだよな」という意識は、頭の中にあったのですか?」
‐(高田)かなり薄れてはいましたね。

やっぱり薄れてたんかい!



まあ、しょうがないことかもしれませんが、「かつての綾小路ぱいとしての葉子」という側面をもうちょっと見たかったものですよ。自分だったこともある身体を外から見るってどんな気持ちだったのかなあ。その辺、描かれれば面白かったと思うんですが。