「とある飛空士への追憶」

とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫)

とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫)

ワンダフル! マーヴェラス!


と叫びたくなるような素晴らしい物語でした。これほど面白いライトノベルに出会えたのも久しぶりです。いやまあ、フルメタもすごく面白いんですが、性質が違うので。海燕さんの書評のおかげで合えました。ありがたいことです。


未来の皇妃を守り、単独飛行で中央海を突破せよ。この指令が生み出すのは、空の爽快さと、空戦の緊張と、ローマの休日のような切なさをを兼ね備えた日々でした。各要素が絶妙な配分で組み合わされ、溶け合っているのが見事です。基本的に文章力が高いですね。最初の一文から引き込まれ、引っかかることなくスイスイと読ませます。恐れ入りました。


ガガガ文庫は新鋭なので油断していたところがありましたが、これだけの作品が出て来るとはあなどりがたしですね。惜しむらくは、少々挿絵のレベルがついていっていないような感はあります。可愛らしくはありますが、ファナの絶世の美女ぶりは出ていない。個人的には明け瑠璃のフィーナ姫の図を当てはめてました。身分も名前も近いですし。