「ヴォイニッチ写本の謎」

ヴォイニッチ写本の謎

ヴォイニッチ写本の謎

発見以来50年以上も世界中の解読者の挑戦を受け付けない謎の写本、ヴォイニッチ写本。不可思議な文字、不可思議な挿絵で魅惑的な存在であり続けるこの写本は一体何物なのか。本書は、写本を発見し、呼び名の元にもなったヴォイニッチ氏の親戚筋である著者と、もう一人の研究者が、冷静かつ面白く写本を分析した一冊です。


この写本については確かサイモン・シンの「暗号解読」あたりで初めて知ったような気がします。中世に書かれたという作者も内容もさっぱり分からない、まさにミステリアスな代物。あまりに大変そうなので自分で解読しようとはまったく思いませんでしたが、興味深い印象が残りました。


本書は、写本の歴史、過去の「解読」例を追いつつ、その内容に取り組みますが、当然そう簡単に解読は出来ません。なんらかの暗号か、作者自作の言語か、はたまた、ただのデタラメか。


本書には写本の図版も多数挿入されていますが、個人的な印象としては、中世の、精神病の人がどこか強迫観念的に作成したように見えました(本書でもその説は紹介されています)。文字は分かりませんが、なんだか図版の緻密さとデザインが常人の想像を超えたところにあるように感じられるんですよね……。さて、結論が出る日は来るんでしょうか?