レ・ミゼラブル 少女コゼット 第10話「迷いのマドレーヌ」

ほんとに良い出来ですね。原作の力もあるのでしょうが、アニメとしても力の入った作りであることが伝わってきます。今回は特にマドレーヌ市長の迷いと行動がしっかりと描かれていました。


これまで聖人のような描かれ方だったマドレーヌですが、シャンマチウが冤罪で逮捕されたことを受け、苦悩するAパートは緊迫感がありました。「もう行っても遅い」とか「シャンマチウにも罪はある」とか自らを納得させようとするあたりはリアルです。それでも銀の燭台を炎に投じようとして果たせず、夢でミリエル司教と出会う。この流れが良いです。


後半、裁判所に駆けつけ役人席に着くマドレーヌ。顔見知りも多く、適切に敬意を受けている描写が逆に、彼の失うものの多さを示すようです。それでも意を決して堂々と名乗り出るその姿。そして立ち去る姿。感銘を受けるとともに、悲壮でもありました。


以前も書いたことではありますが、この作品がBSとネットだけというのは惜しい、惜しすぎますねえ。こういうアニメこそ子供に見てもらいたいものですのに。