レ・ミゼラブル 少女コゼット 第9話「テナルディエの悪だくみ」

ファンティーヌの苦難もマドレーヌ市長の活躍で一息ついたかと思いきや、それが続かないのが本作。どこまでも、非情な運命に翻弄される弱い人間の姿が真骨頂です。見ているほうも辛い辛い。


それにしても今回のテナルディエ夫婦のなんともまあ醜いことか。これまでの行動がまだかわいらしく見えるほどの傲岸さです。アゼルマを身代わりにしたてたのは、勘違いとは言えファンティーヌを喜ばせることにはなりましたけど……。あのスカートがこういう伏線になっていようとはなあ。


一方マドレーヌ市長にも苦悩が。おそらくジャヴェールの告発が却下されたというだけではさすがの彼も自分で名乗り出るようなことはなかったでしょう。しかし偽者のジャン・ヴァルジャンが捕まえられてしまうとはまったくの想定外。ジャヴェールが謙虚になった途端に最大の危機とは皮肉です。この展開の妙には、さすがの原作の上手さ(と意地悪さ)を感じますね。