「インド三国志」

インド三国志 (講談社文庫)

インド三国志 (講談社文庫)

諸葛孔明」に次ぐ陳舜臣さん物。タイトルはあまりに狙いすぎで無理がある気もしますが、それで興味を引かれた読者(僕のことですが)がいることも確かなので否定は出来ません。17世紀ごろのインドを舞台に、ムガル帝国と、反抗民族、さらにヨーロッパ資本の攻防を書いて行きます。


……が、いかに何でもこんな壮大な話を文庫一巻で書ききれるものでは無し。まるで打ち切りのような唐突さで物語は終わってしまいます。「三国志で言えば董卓呂布に殺されたあたり」と作者自ら語っているように、続編を書く構想はあったらしいのですが、これ出てからもう22年ですからね……。題材内容自体は面白いので、もったいないです。ここから先は自分で勉強しろと言うことですかね。