かしまし〜ガール・ミーツ・ガール〜  第9話「この願いはかないますか?」

明日太やあゆきの話を挟んで本道に復帰したという印象の今回。作画も回復して、相変わらずレベルの高いつくりを見せてくれました。


これまで「はずむの性格がイマイチ分からない」と書いてきましたが、前回あたりから彼女(と書くのには少々違和感を感じますが)の表情も崩れることが多くなって、恐がったり、悲しんだり、お祭りを楽しんだりと、ただ純真なだけという初期のイメージを破りつつありますね。そのぶんますます分からなくなったという説も無いではないですが(汗)。綿菓子を選べなくて迷っているうちに、結局どちらも手に入らなかったという過去の記憶。夢に出てきたということは内心それなりに自分の立場を自覚していて、気に病んでいたということなのでしょう。これまであまりそんな様子を見せなかっただけにちょっと意外ですが、はずむも悩んでいたんですね。


一方、とまりとやす菜サイドの描きこみもしっかりとしています。恋敵ではあるんだけど、少しづつ友情が深まっていくというくだりが、決してご都合主義的ではなく――少なくとも軽々しくは無く――真摯に描かれていると思いました。ああ、それにしても二人の話すシーンは緊張する(苦笑)。


そのほか脇役陣も、前回妙に老成していて心配になったあゆきが意外と浴衣好きな趣味があったり、宇宙仁が実に便利な記憶回復術をはずむにほどこしたり、とまりの家庭がセリフだけで楽しかったり、はずむのお父さんに落ち着いたセリフが(ほとんど初めてのように)あったりとなかなか充実していました。……明日太と並子先生には、せめて一回は良い場面があって欲しいと願います。


最後は二人が差し出した綿菓子を交互に食べるはずむ。いつまでも許されるものではないことだと分かりつつも、続いて欲しいと願う姿が実に綺麗に決まっていました。う〜ん、甘い先送りではあるんですけど、やっぱり上手いなあ。……ただこの調子でいくと、はずむはべつに男の子でも良いんでないの? という気がしないでもなく。まあ可愛い女の子である方が視聴者からの反感も薄いから良いのか、と思いますが。



余談ですが、エンディングのはずむとやす菜のクッキングシーンはカードキャプターさくらのそれを彷彿とさせます。さくらと知世に似てると思ったのは僕だけではないはず。