「ベルカ、吠えないのか?」

ベルカ、吠えないのか?

ベルカ、吠えないのか?

さてどう評したものか。犬を擬人化した群像劇のようなものを予想していたものとしては、ちょっと違った方向の作品で戸惑いました。あるイヌの血筋を狂言回しにした戦争の世紀としての20世紀俯瞰といいますか、人の歴史をイヌの目線で追った小説というか。なんにしても、簡単にはくくれない話でした。


ほぼ一気に読めたのでつまらないと言うことは決してなかったのですが、かといって積極的に面白いというようなものでもないような気がしますし、勉強になるというタイプのつくりでもない。不思議な一冊です。ただ、雄大にして骨太な歴史。ちょっと周囲の感想を見てまわりたくなりました。


ヤクザの嬢ちゃんとロシアマフィアと大主教の話がいまひとつ良く分からない。むむぅ。