「ピーター・リンチの株で勝つ―アマの知恵でプロを出し抜け」

ピーター・リンチの株で勝つ―アマの知恵でプロを出し抜け

ピーター・リンチの株で勝つ―アマの知恵でプロを出し抜け

ライブドアショックにも負けず、世間は株ブーム。「デイトレで○○円儲けた!」だの「○円からはじめるネット株」だの、軽い感じの本がズラリ書店に並ぶ今だからこそ、硬派で骨太の勉強をしたいものです。この本の著者、ピーター・リンチ氏はアメリカの伝説的ファンドマネージャーで、実績は申し分無しの方。さりとて偉ぶったところはどこにも無く、ユーモア溢れた語り口でタイトルどおり「アマが勝つ」方法を教授してくれるという、楽しくもためになる一冊です。


著者の手法はいたってシンプルにして王道。「成長株を長く持つ」こと。デイトレはもちろん、オプション取引にも空売りにも浮気はせず、ただその会社の実力と将来性を吟味し、基本前提が変わらない限り何年でも持ち続けるのが大事であるということです。かのバフェット氏の教えも同じ感じですから、やっぱり長期投資こそが最良の道なのでしょうかねえ。短期に走りがちな自分にちょっと反省でした。


この本が最初に出版されたのは実は1990年くらいなのですが、ロングセラーとして2000年に加筆新出版。それからさらに6年たった今でも、全然古びていないところがすごいです。惜しむらくは著者がアメリカ人のため、(当たり前ですが)日本の株の話題はほとんど出てこない点でしょうか。しかしそれでも、当時バブル真っ最中だった日本株について「高すぎるとしか思えない」と首をひねるあたりはさすがの慧眼。2000年度版の加筆でも、これまた当時バブル真っ最中だったIT株を「期待が先行しすぎている」と否定。さすがです。


四季報をじっくりめくって、著者のいう長期投資株を探すとしますかねえ。