Fate/stay night 第1話「はじまりの日」

さあ、いよいよ始まりました注目の一作。「期待」というよりは原作が偉大すぎるゆえの「あきらめに近い不安」が先立つというのが正直なところでしたが、第一印象は「まずまず」でした。心配したほど悪くはなかったといいますか、原作を100、期待度を60とすると75点くらいはありましたよ。……って、あまり褒め言葉になっていませんね(汗)。


凛とアーチャーの「心温まる」やり取りが省略されたのは残念でしたが、視点の統一を考えるとやむをえないところ。主人公、衛宮士郎側の状況は急ぎ足ながらも過不足なく説明されていたと思います。1話でセイバーの登場まで行くかとも思いましたが、見てみるとさすがにそれは無理ですね。焦り過ぎないつくりには好感が持てました。このペースならまず間違いなく2クールはあるでしょうし、一安心です(一応ネットで確認‐全24話のようです)。1クールだったらその時点で駄作が決定してしまうところでしたからねえ。


オープニングも、歌が原作を踏襲していて気分が盛り上がります。AIRといい、最近は原作ファンを考慮して、そのまま歌を使う流れなのでしょうか。まるきり一緒ではなく、アレンジがかかっているのもナイス。はっきり言って元より良くなっているかもでした。CDの売り上げとランキングどのくらいになるか、今から興味深いです。


惜しむらくは、全体的に原作にあった「重さ」が薄れていること。過剰なまでの情報量や、どこか漂うおどろおどろしい暗さが大分カットされているなあという印象でした。まあこれはアニメの特性上しょうが無いかなとも思うのですけど。あと、凛がアーチャーを呼び出したとき、士郎が最初目覚めるところ等、もう一寸溜めが欲しかった気もします。ストーブを直すときの構造解析も、不良箇所が光るような演出があるとなお良かったかなと。


声は、おおむね違和感少なし。藤ねえの声が合わないという意見も聞いていましたが、特に問題は感じませんでした。むしろ気になるのは桜。語弊をおそれず書けば、過度に「ギャルゲーチック」なしゃべり方に聞こえます、もうちょっと普通に落ち着いた声の方を希望。……にしても、この存在感だと彼女の出番はあまり無いですかね、やっぱり。


原作ファンとして色々書きましたが、全体的には水準以上のレベルで滑り出せたと思います。たぶんアニメで入った人にはもっと好評なのではないでしょうか。今後も楽しみです。