銀盤カレイドスコープ 第12話「シンデレラ」

最終回。全体に切ない別れの雰囲気を漂わせ、さすがに力の入ったつくりだったと思います。タズサとピートの最後の演技は、うまく「フライト」の設定と重なった演出でした。もうプレッシャーや他人の成績を気にすることなく、ただピートのためにすべり輝くタズサが良かったです。そして、さらばピート……。
さて、終わったところで振り返ってみますにこの作品、作画、構成、演出等々、多方面において弱かったのは否めないと思います。作画はこの際しょうがないとしましても(フィギュアスケートアニメにおいて最重要事項でしょうけど)、オリンピックという大舞台が2話にも満たない時間で流されたのはもったいなく思われました。せっかくリアとかドミニクとかガブリーとかキャラがいるのにほとんど見せ場なし。今回もリアの演技が止め絵ばかりだったのは残念無念です。タズサとリアのフィギュア講座がなぜか一回だけポツンと置かれたあたりも、何か急ごしらえの感がありましたね。公式サイトの12話スタッフに、堂々「未定」表記があるあたりがなんともです(はてなキーワードで、初めてアラン・スミシーなる用語を知りました。なんだかなあ……)。
ただ、これだけ欠点がある割には見ていて楽しい作品だったのも事実。少なくとも切ろうという気持ちには全然なりませんでした。この辺、原作の力なのかアニメスタッフの底力なのかいささか微妙なところですが、スポーツモノとしての「根性&燃え」が不足だった反面、「タズサとピートの関係」がしっかり描かれていたのは評価点と言えましょう。コーチや、三代監督、ヨーコやミカといった脇のキャラクターも結構生き生きしてました。
もうちょっと予算とか時間とかがあって、原作の魅力を最大限に引き出せていれば、時期とも合わさってブレイクできたアニメだと思うのですけど……。原作ファンとしては「ちともったいなかった」というのが正直なところですかね。


P.S そういえばリアは14歳かあ……。