「亡国のイージス」

ローレライ」「戦国自衛隊1549」につづく福井晴敏さん原作の映画(福井さんすごいなあ……)、早速見に行って参りました。で、感想はというと一言。


素晴らしかったです!


もう絶賛モード。まあ僕の映画評は基本的にかなり甘いんですが(ローレライも楽しかったですし)、それでもここ最近見た中で一番おもしろい映画に仕上がってました。シナリオは原作のエッセンスを密度濃くまとめていて、それだけでもローレライとは格段の差でしたし、映像も自衛隊協力のもと実に豪勢で見応えがあります。「ハリウッドばりの」という形容がこれほど本当だった作品はあまりないのではないでしょうか。期待以上の出来で大満足です。
あえて言うと、もう少しだけ平和と戦争に対するテーマ性みたいなものが前面に出ても良かったかなという気はしますが、これはお説教ぽくなってしまうのを避けたのかもしれません。あとは某国工作員たちの信条がかいま見えると良かったかな……。女工作員がヨンファの妹であるという原作設定が出てこないので、存在価値低くなっちゃったのは惜しいです。
ともあれ珍しく最後までスタッフロールを見てしまったこの作品(例によってというべきか、庵野秀明さんの名前もありました)、日本のみならず、どうせなら各国でやってもらいたい気もするんですけど、どうなんですかね。特に韓国とか。「極右映画」なんて決めつけずに見て欲しい気がします。



それにしても、最初イージス艦に乗り込んでいく場面での感覚は不思議でした。たかが巨大な鉄の塊、一つの構造物にすぎないのに、妙に胸が熱くなるような、圧倒されるような気持ち。その存在が内包する力に魅せられた、というところでしょうか。きっとこれ、戦車や戦闘機のプラモが人気なのと同根なんだろうなあ……。力に憧れるだけなら良いですが、そのありようには十分注意しないと。そんなことをちょっと考えさせられたりもしました。