西の善き魔女 1〜4巻
- 作者: 荻原規子,佐竹美保
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2001/11
- メディア: 単行本
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最近のとっても面白かった本。素晴らしかったです。なんと言っても主人公のフィリエルを初めとするキャラクター達の魅力的なことといったら! 当初はマンガ版を2巻まで読んだのですが、その面白さにいてもたってもいられず、原作に手を伸ばしてしまいました。
代々女王の下繁栄するグラール国の辺境、セラフィールドで生まれ育ったフィリエルと幼馴染ルーンを中心とした冒険譚。彼女の出生の秘密とは、そして世界に秘められた謎とは? スケールが大きく、多彩な魅力を持ったファンタジー長編にどっぷりとつかりました。
こんな言葉で的確がどうかは分かりませんが、全体的に感じられたのが「しなやかなフェミニズム」。男女の肉体的、精神的違いは違いとして認識し、かつ女性としての魅力を自覚しながらも、窮屈な「らしさ」にしばられない自由さ。そういった部分を作者もかなり意識されて書いたのではないかと思います。グラールが女王制という設定からして根幹にありますしね。それが一層キャラクターを引き立たせていたように見えました。特にアデイルとか。アデイル良いですよ、アデイル(笑)。
ハードカバー版で読みましたが、キャラの容姿についてはマンガ版や文庫版のイラストを基本に脳内アレンジ。アデイルはイラストそのままでピッタリと思いますが、レアンドラはもうちょっと(一見)優しげにした方が良いと思いました。
物語は構成上やや中途半端なところで本編が終わってしまいます。ですが、外伝が実質本編の続きになっているので、がっかりしないで全部読むのが肝要。というか、なんで外伝扱いになっているのか大きく謎です。
とにかく大変面白い物語でしたので、3クールくらいでアニメ化してもらえないかなあと何となく希望してみたりします。