子供の心、大人の心

三つ子の魂百までとは言いますが、やっぱり子供のころに感じた世界と今見える世界は違うものなのでしょう。その情景を記憶していても、考え方が変わっていないとしても、きっとそのときの感覚は大きく異なっていると思うのです。「子供のころに見た場所が、大人になってから見ると小さく見える」とよく言われるように。
と、唐突にこんなことを書いてみましたのも、この前電車に載っていたときにふとそんな感覚がよみがえってきたからなんですね。なんだか世界が不思議に輝いているような、ずいぶん長く忘れていた感覚。すぐに消えてしまいましたが、きっともうシナプスだかなんだかのつながりが薄くなってしまったのでしょう。「のどもと過ぎれば暑さを忘れる」ではないですが、その時その時の心理感覚というのは完全には記憶に残らない部分だと思います。変わらないような日々の中でも人は少しづつ失っていくものがあるのだなあと、あらためて思ってしまいました。