「NANA 12巻」

NANA―ナナ― 12 (りぼんマスコットコミックス)

NANA―ナナ― 12 (りぼんマスコットコミックス)

ようやく読みました。冒頭のシーンがいきなりすごいなあ……。これまで描かれてきた時期よりも6、7年後の光景でしょうか。奈々とみんなとそろっての穏やかな集いもナナの姿は無く……。これまで回想として挿入されてきた言葉はここを基点としたものだったのですね。「現在」のはずなのに白の多い明るいページがどこか「はかなく遠い夏」という雰囲気をかもし出しています。このシーンに限らず、本当に絵が上手い。最初からどんどん上手くなっているような印象ですね。
時間は戻って最初の花火大会の日に。どうなることやらと思われた奈々とタクミの関係ですが、ノブがきっぱりと身を引いたことで意外と順調に推移。タクミがどこまで奈々のことを思っているのかいまひとつつかめないのですが、まあ本人が良いのなら良いかというところでしょうか。でもだんだん奈々が孤独にも見えてくるんですけどね。ノブさんは相変わらず良い人です。彼に対してナナは「一緒に泥沼にはまってやらないのか」と詰問しますが、シンは「争いを避けることがお気楽だとは僕は思わない」。こういうふうに異なる意見を並列的に描けているのがこの作品の人気の一因ではないかと思うのですが、どうでしょう。
ナナとレンが結婚を発表して、「なんだかんだでみんなだいたい幸せ」状態で終わった今巻。逆にそれだけに、今後辛い展開がひしひしと予感されてくるようです。



最後のあとがきマンガ、実写映画化に反対する人ってたくさんいるものなんですね。しかし淳子ママの「NANAは商業マンガなんだから」ってまた言っていることがずいぶんと単刀直入です(苦笑)。