はるのあしおと日記 その7

総合感想 シナリオ以外編


・絵
キャラも背景も作品にふさわしいおだやかな色合いで好ましかったですが、気になったのはやはり絵柄が幼すぎということ。受け付けないというほどでもありませんでしたが、いささか抵抗感はありました。特に悠や智夏あたりは。まあこれについてはもう「しょうがない」というしかないのかもしれませんが、慣れてしまうようだとちょっとこわいかも知れません(汗)。



・音
まず、声についてはほぼ問題無しといって良いかと。多少朗読調でゆっくりになってる感はありましたが、全般的に上手かったです。BGMは冬が舞台ということもあってか綺麗で澄んだ曲が多かった印象。悪くはなかったですが、やや地味だったかもしれません。思い出して口ずさめるようなメロディーには欠ける気がします。ただ、OPとEDの歌は両方ともかなり良かったですね。おまけCDにOPソングのフルバージョンが入っているあたりもポイント高いです。欲を言えばEDソングのもっと歌の上手い人バージョンも収録して欲しかったなあ。



・演出
以前にも描きましたが、絵の見せ方に関しては最高のつくりでした。カメラワークといい、光の表現といい、キャラの動きといい、見事です。ムービーについてはもう多くを語る必要は無いでしょう。新海さんの至高の出来とも言えるOPに加え、各キャラごとの優しいエピローグと一体化したED。素晴らしかったです。



・システム
現状のノベルゲームに必要な限りの設定項目を盛り込んだシステムはキメの細かいつくり。やや重いのがたまにきずですが、良い出来だと思います。なんでも前作までのminoriさんはシステムの不安定さで有名だったとの由ですが、やはり人は成長し、ブランドも成長するものなのですね。しみじみ(……もっとも、パッチ当てないでいたら和シナリオで落ちちゃいましたけど)。



・Hシーンについて
感想というか余談ですが、いわゆるシナリオ重視系の美少女ノベルではどうしてもストーリーとHシーンの間に落差というか、乖離が生まれがちに見受けられます。はるあしもこの例にもれず、ストーリーの流れを切るかのようなHシーンには興の削がれるところがありました。物語上有効に機能している部分もあるとは思いますが(特に和シナリオですとか)、自分はほとんどCtrlスキップかけてしまいました。
そこで考えたのですが、この際システムでHシーンのスキップを設定できるようにしておくというのはどうでしょうか。「カット/短縮/通常」とか三段階で。なにやら18禁作品の根本を問うような提案ですが、割と上手くいきそうな気はしますよ(もっとも、この作品の場合初めから全年齢向けで良いのかもしれませんが……)。