はるのあしおと日記 その2

和シナリオ終了。前回の日記期日から見るに、10日くらいかけたことになります。一気にのめりこんでしまうのも楽しいですが、じっくりとプレイするのもまた良し。世評に違わぬ面白さを堪能いたしました。
シナリオについては後に回すとして、演出面。事前に評判は聞き及んでいましたが、なるほど、確かに独創的で面白かったです。まず感心させられたのはキャラクターがまばたきしたり、セリフにあわせて口が動いたりすること。それだけで一般的な「止め絵の羅列」が一気に躍動感のある画面になることにうならされました。また、CGの構図もキャラの表情だけに注目するのでなく、ロングショットで奥行きを見せたり、視点を中心的なものからずらしたりと、多彩な見せ方が印象的でした。これまで一歩引いた構図といえば「Sense Off」 が記憶に残るところでしたけど、多分それより意識的な使い方でしょう。

以下シナリオ感想です。

心に染み入るような切なさとあたたかさを感じるお話でした。奇跡も無く、魔法も眠り姫もなく、必要以上の暗さも無く、ただ人と人との交流がある。昨今の美少女ノベルにおいては、これだけで結構貴重なお話のような気がします。
和と樹が好き合うまでの流れがやや急ぎ気味だったような気はしましたが、逆に言えばそれで終わりでは全然なく、そこから先の二人がしっかり書かれているのが良かったですね。「半人前」の二人が悩み、すれ違いながらも絆を深めていく過程。依存にならずに前を向いて歩みだすラスト……。ベタといえばベタですが、しっかりと王道でした。
こうなると、俄然ゆづきと悠のお話も楽しみになってきます。悠は和シナリオでは全然出番無かったですが、ゆづきのほうは家庭の事情や本人のコンプレックスが色々あるもよう? さて……。あと、和シナリオでは結局明らかにならなかった、白波瀬さんが突然電話をかけてきた背景なども気になるところです。個人的には、彼女と結婚した会社員の先輩にはいい夫であって欲しいんですけどね。