MADLAX 最終回 「欠片-pupil」

最終回。……ううむ、結局最後までいまいちしっくりこないお話でした。まあ「最後まで見られた」という一点において私的には「NOIR」や「Avenger」より上なのですが、その理由も物語より音楽と作画と前半のマーガレットお嬢様によるところが大きいと思われますし。「甘めに見ても水準点」程度に評せざるを得ないかなというところです。決して嫌いな作品ではないのですけどね。
偉そうな言い方をさせていただきますと、作品全体がどうも薄っぺらかったというか、生気がなかったようなような気がしました。キャラクター達の行動がどうも表面的で心情が伝わってこない。だから感情移入も難しい。今回もマーガレットとフライデー・マンデーの分かったような分からないような問答が続きましたが、マーガレットがどのくらい悩んでいるのか。あるいはマドラックスがどれほど苦しんでいるのか、そのへんの描写が弱かったように思われます。そのため、「罪」とか「憎しみ」とか「一つになりたい」とか言葉としては出てきても、重みが伝わりませんでした。
あともう一つは敵方の訳の分からなさですか。フライデー・マンデーのやりたかったことは最後までさっぱり理解不能でしたし、アンファンという組織の凄みも感じられませんでした。アンファンに至っては今回マドラックスの前に黒服がわらわらと出てきたことで、久々に「ああ、フライデーの他にも人員がいるんだ」と思わされたくらいですから、全然存在感がありません。内戦を裏で牛耳ったり刑事さんの記憶を壊したりと色々と設定はすごいのですから、もっとおどろおどろしく不気味に描いてほしかったです。
せっかく前半割とゆっくり進めたのですから、このあたりがもっと突っ込んで書かれていたらなあ、と思うことしきりでした。
今回の感想に戻りますと、マーガレットがマドラックスのドレス姿(&歌(笑))で銃を構えるところや、マドラックスのアクション前回のフライデーとの対決は理屈抜きで燃えましたね。最後二人が同化しないのも良かったです。もうそれぞれ全然人格が違いますしね。でも、今後の二人はどうなるのだろう……。結構前途多難に見えますが、良い未来の開かんことを願います。