五輪野球が終わって

なんだかまだ気持ちがもやもやしています。銅メダルという結果はやはり「残念」という一言に尽きますね。なまじ準決勝のオーストラリア戦が「相手投手が良くて点が入らない」という野球で一番「お手上げ」な負け方だったのも、悔しさを増幅させている気がします。これがペナントレースであれば「今日はしょうがない、明日明日」に出来たのでしょうが、トーナメントではそうもいかず、涙を呑むことになってしまいました。もちろん、どう理由をつけても結果は厳然と出たわけで、「このオリンピックではオーストラリアのほうが強かった」のはしっかり認めなければならないでしょう。きっちり反省して欲しいです。ただ個人的には、短期決戦のこの戦いだけをもって日本のレベルがどうこうと言うのはちょっと早計ではないかなとも思うんですよね。ひいき目にすぎますでしょうか?
それにしても今回の苦闘、大局的に見るとやはり、日本球界の大きな曲がり角を象徴する出来事になったような気がしますね。ちょくちょく言われる「10年遅れのバブル崩壊」というのが的を射た表現に見えます。どう考えてもおかしな制度や経営状態を、無責任な体質のもと小手先の改革でごまかしてきたツケが来ているということでしょう。日本経済がバブル崩壊の後遺症から曲がりなりにも抜け出すのに10年かかったことを考えますと、今後しばらく野球も冬の時代を迎えてしまうのかもしれません。ただ、やまない雨はなく、明けない夜はないとも言います。野球という球技そのものが持つ面白さとこれまでつちかってきた歴史から考えますに、野球人気が一気に衰退するとは思えません。色々有用な提言もされているのですから、10年といわずせめて5年で新しい野球界を築いて欲しいですし、自分もファンの一員として少しでも貢献したいものです。野球格言で言うところの「ピンチのあとにチャンスあり」。今回の敗北がただ責められて終わるのではなく、糧として有効に生かされるように願うばかりですね。