「書く前に読もう超明解文学史」(三田誠広) ISBN:4087472094

ライトノベルの立ち位置の参考にとでも思い、文学史の勉強的に読んでみました。主に近代の日本を対象とした一冊。講義録形式ですし、そこは作家、さすがに文章もこなれているので読みやすく面白かったです。……ではありますが、結局文学とは何なのかというのはいまいち分かりませんでした。たとえば村上春樹さんについて「風の歌を聴け」や「1973年のピンボール」はわりと評価されてます。一方で「ノルウェイの森」については「単なる通俗小説」とばっさり(それが悪いとは言ってませんが)。その差がどこら辺に生じてくるのかの説明はないわけですね。まあ著者自身も「文学とは何かというのは難しい問題」と書いてらっしゃるわけですなのですけど……。一つのブックガイドとしては、日本にも結構色々すごそうな作品があるのだなあと興味深かったです。色々と読みたくなりました。