「スクラップド・プリンセス」(榊一郎)ISBN:4829128739

面白かった。……と一言ですませてしまうのは何ですが、他にこれといった感想が思い浮かばなかったりするんですよね、なぜか。好きな作品なのですが、もしかしたら良くも悪くも標準的なつくりだからなのかもしれません。基本的に中世ヨーロッパ的な世界で剣と魔法があったり、コメディとシリアスが入り混じっていたりして。個人的に富士見ファンタジア文庫における面白かった系譜はスレイヤーズオーフェンフルメタあたりなのですが、その流れ上に見てしまう部分があるのです。もちろん、廃棄王女パシフィカの設定ですとか、彼女含めたカスール3兄妹のキャラクターですとか、後半に明らかになってくる世界の秘密ですとか、そういうところは独特のものですけれども、「特徴的」というほどではないように思いますし。ただ、それが悪いということでは無いです。基本的に高レベルなので安定して楽しめるという感じでした。辛い状況にもかかわらずほとんどの場面で前向きにがんばったパシフィカの魅力は何よりでしたね。アニメの方もレンタルで視聴開始。作者自ら高評価されるだけあって良い出来だと思います。こちらも今後楽しみ。

ところで、僕は当初この作品を「スクラッド・プリンセス」と覚えてしまっておりました。なんでだろう……(検索でも割と引っかかるような?)。