CLANNAD感想 その4

この調子でいくと、一ヶ月はおろか二ヶ月はかかりそうな気がしてきました…。別に締め切りがあるわけでないとはいえ、もう少し早めないとどんどん記憶があやしくなっていきそうです。


・ことみシナリオ

 世評高いことみシナリオ。渚AfterStoryには及ばなさそうですが、人気面ではトップクラスに来るのではないでしょうか。それもうなずける美しいお話でした。孤独な天才少女が、朋也との偶然の再会を機に友人を得て、世界を広げていく。やがて過去のつらい記憶が明らかになるが、朋也の尽力もあって再び前に進みだそうとする……。これだけでも十分に決まっていると思いますが、最後に来る両親からのメッセージがまた……。音楽と画像の効果も合わせて、あまりにも感動的なシーンでした。思えば朋也が庭を直していくシーンがありますが、あれは二人の中で一度切れてしまった過去と現在をつなげるための行為だったのかもしれません。そしてぬいぐるみが届いた時、その道筋はことみの中で完全に接続されたのではないでしょうか。ラストシーン。そこには本を愛しながらも本に逃避していた少女の姿はなく、恋人と友人達とを照らす明るい笑顔。良いですねえ。
 ……とまあ、割とテンション高めに書いてしまったわけですが、実を言うと個人的にはどうしても引っかかってしまうことがあって、絶賛とまではいけないでいたりします。それはことみのキャラクター。いかに悲惨な出来事があったとはいえ、もともと人見知りであろうとはいえ、あそこまで子供っぽいのはどうでしょうか。いえ、可愛いんですけどね。ただ、全国でも屈指の秀才という設定と致命的にずれているように思えてしまうのですよ。Kanonの佐祐理さんやAIRにおける美凪にも同じような感じは受けましたが、二人は色々裏で考えていそうなイメージがあります。でもことみにはそういった雰囲気もなさそうでしたし……。どうもこの違和感は最後まで解消されませんでした。せめて「なの」喋りがなければ、という気もするのですが、無ければ無いでことみらしくないですかね……。ううむ。
 繰り返しになりますが、良い話だったことは間違いないと思います。書かれたのは涼元さんですか。キャラクターや風景の描写のしかたには美凪シナリオと同じテイストを感じたのですけど、どうなのでしょうか? 夕暮れとかの情景をキャラクターの心理状態を重ねるようにして書き出す文章はうまいなあと思いました。


P.S.
 オーストラリアの首都についてはオチは無いのでしょうか? ことみが突っ込んでくれるものとばかり思っていたのですが……。