CLANNAD感想 その2

一周しかしていないので、初めのころの話をあんまり覚えていないことに気づきました。おまけに文章がまとまらなくて、たかだかこれだけの感想文にやたらに時間がかかる。…困ったものです。


・智代シナリオ

 坂上智代。彼女のキャラクターは素晴らしいものがありましたね。実際人気も高いみたいですし、僕も好きです。男たちをばったばったと蹴り飛ばす強さ、人望厚くまっすぐな性格。おまけに成績優秀で料理までできる。過去に後悔をもってはいても、それもしっかりと見据えて前に進む凛々しさもある。あらためて見ても、ほとんどパーフェクト的な人です。変な表現になりますが「KEYらしからぬヒロイン」と言えましょう。
 ただ、シナリオはそんな彼女の魅力をやや生かせなかった感じがしました。智代の生徒会長就任が二人の中を遠ざけてしまうというのがシナリオの中心なわけですが、そもそも「生徒会長と言ってもそこまで忙しくはないだろう」というのが素直な感覚ではあります(桜並木の保護に向かって通常の生徒会長以上に精力的だったのでしょうが…)。まあそれは瑣末なこととしましても、気になるのはこのシナリオにおいて朋也がほとんど何もしていないことでした。次第に智代との立ち位置の差を思い知らされ、別れ話を切り出してしまう朋也ですが、その前にもっとつりあうように頑張れば良いのにと思ってしまうところであります。少なくとももう少し努力しても良かったような…。
 そしてより疑問だったのがラストです。さんざん悩んで別れて、時間も過ぎ去ったのに、それをいきなりひっくり返すのはどうかなと。雪の中にたたずむ智代の姿にLiaさんの歌と、CLANNADの中でも屈指の美麗なシーンだっただけに、困惑の方が先に来てしまったのは残念でした。それでいいのか、智代? という感じです。途中、学年主任の教師や生徒会の男子が、朋也が一緒にいることで智代の道が狭められると言うシーンがありましたが、僕もそんな気持ちになってしまいました。無論、世間からの勝手な期待なんて応える義務があるわけでもなく、当人たちが望む道を行くのが一番なのでありましょう。でも、もっと広い世界で、もっと遠い場所までたどりつく智代を見てみたい。正直、そうも思えてしまったのですよ。
 ハッピーエンドなので印象は明るいんですが、ちょっと釈然としないものが残る、そんなシナリオでした。ただまあ、最後は朋也も色々決意するところがあったようですし、智代のことですから結局朋也を引っ張りまわして、楽しくやっていくんだろうなあ、とは思います。智代アフターストーリーの噂もありますが、今は二人に幸あれと素直に願うばかりです。


 …ところで、姉弟の話と言えばKanonの佐祐理さんですよね。佐祐理さんはずっと悔いを引きずることになってしまったわけですが、智代は無事弟に桜を見せることができたわけで、一種佐祐理シナリオの補完にも感じられました。