「わがままな脳」(澤口 俊之) ★★★☆ ISBN:448086055X

脳科学を入門的に書いた本。意識や感覚がいったいどのように成り立っているのかという人類長年の疑問に、脳科学を元に迫っていきます。色々面白い話があり、最近はここまで分かっているのかと感心しました。著者が、哲学ではなく脳科学で人の心を解明するというのもむべなるかなです。
それにしても、結局性格とか感情とかいうのは脳内物質で決まるのでしょうか。怖いような面白いような。著者によると、ドーパミンが好奇心や行動力、セロトニンが幸福感や穏やかさに作用するそうで、だとすれば、その辺いじったらどうなるのかとか、どうしても考えてしまいますね。研究が進んで副作用の無い麻薬が発明されればみな幸せ? もっとも、そんなことになったら人類の歴史は終焉してしまうのかもしれませんが…。