ボールは飛ぶや、飛ばざるや?

今週の週刊ベースボール誌は「飛ぶ、飛ばす、飛距離のメカニズム」ということで、近年公然とささやかれるようになった「飛ぶボール」疑惑などに接近。なかなか面白い特集でした。ミズノ社へのインタビュー、あるいは反発力チェックの現場取材など、やはりこういう部分は個人ではつかみにくい雑誌ならではの企画ですね。
個人的には、多くの方々と同じく「最近のボールは飛びすぎる」と思っています。ことにターニングポイントと感じられたのは2001年でした。パリーグファンの方なら印象に強く残っていると思いますが、この年は怒涛のホームランラッシュ。過去最高が40本、前年25本のローズがプロ野球記録の55本をマークしたほか、中村、小久保が40本超で自己最高記録。他にもカブレラマクレーン、メイら新外国人が30本塁打を突破するなど、リーグ全体で00年の753本から1021本に35%の増加となりました。数字だけならまだ「たまたま」ということも出来なくもないですが、何より観戦していての「感覚」が違います。当てただけの打球が内野手の頭を越えていき、外野フライと思った打球がふらふらスタンドインしてしまう。それなりに野球を見てきた蓄積イメージは侮れないはずで、「何か違う」と思わざるを得ませんでした。結局いまだにその違和感はぬぐえずにいます。実際、かつて貴重だった東京ドームの看板ホームランやドームの屋根に当たる打球も、そう珍しくなくなってしまいましたし。
記事ではミズノのボール担当の方が「作り方は10年前から変わっていない」とのコメント。また、反発力テストも厳密に行われているようで、単純にボールだけを悪者にしてもいけないのかもしれませんが、理由はともかく、プロ野球界にはもうちょっと反発力を抑えてくれることを希望いたします。一発逆転は確かに魅力ですが、ホームランの希少性が失われ、同時に小技の価値も減少してしまうこと。それが野球にとって良いことだとはあまり思えませんから。


ローズが56本塁打達成したら、もっと話題になりましょうかね…。