その6・西武ライオンズ

・野手陣 ★★★★
潜在能力では12球団一! といっても過言ではないかと思われます。主軸のカブレラ、和田が健在な上に、中島、中村、栗山ら若手の成長が著しいのが評価ポイント。ほかにも石井義や赤田、佐藤友ら充実のメンバーがそろいました。長年貧打と呼ばれ続けてきた西武にこんな日が訪れようとは……。あとの課題はチャンスにきちんと点を取れる小技といやらしさ。そしてなんと言っても守備ですね。守備練習には秋季キャンプから重点的に取り組み、結構手ごたえはあったということですが、こればかりはしばらく見てみないとわかりません。


捕手は炭谷がまさかの開幕スタメンで驚きました。その堂々とした振る舞いは高卒ルーキーとはとても思えないほどです。さすがに一年持つとは考えにくいのですが、今後の活躍と成長がぐっと楽しみになりましたね。



・投手陣 ★★★
松坂、西口、帆足の三本柱は12球団でも屈指! と勢いのよいのはここまでで、ローテの4番手以降とリリーフには不安も大きい投手陣です。4人目以降に名前が挙がるのが、涌井、宮越、グラマン、山岸といった面々。決して実力がないとは思わない――ファンの贔屓目かもしれませんが、二ケタ勝てる力は持ってるはず――ですが、実績のないことは否めません。抑えも小野寺はけっこういけるとおもうのですが、初年度だけに途中でばてそうな予感がします。それに森の穴も痛い。総合的に見て、先発陣は去年よりは上ですが、不安の大きいスタートとなりそうです。


・総合 ★★★★
去年は3位とはいえ借金暮らし。さらに森と豊田が抜け、下馬評はあまり高くないライオンズ。しかしながら、そういうときこそ地力を発揮するのがこのチームでもあります。今年も結構面白い戦いはできると思いますよ。なにより、西武史上でもめったに見られないほど打線が充実しています。若い打線が打ちまくり、こちらも若い投手陣をサポートしていけば、十分上位陣と伍していけると考えます。ワールドカップイヤーは優勝というジンクス(*)を継続してほしいですね。


(*)82、86、90、94、98、02年に優勝。




★私的注目選手 その1 涌井秀章
松坂の今オフメジャー移籍が確実と見られている今、彼にかかる期待は非常に大きなものがあります。「何とか後継者に」というのが球団、ファン共通の願いでしょう。去年はドラフト1位の指名に恥じない素材の良さを見せましたが、プロの壁にぶつかりました。ここで伸び悩むとまた数年かかっちゃう可能性も高いので、今年が勝負です。個人的には、桑田真澄の1、2年目の数字をなぞってほしいですね。


桑田の成績が
1年目  2勝1敗 5.14
2年目 15勝6敗 2.17


去年の涌井が1勝6敗7.32。ちょっと悪いですが、プロの壁に跳ね返されたという意味では似たようなものでしょう。15とまではいかないでも、10は勝ってほしいなあ。



★私的注目選手 その2 G.G.佐藤
上でも触れたように、生きのよい若手野手目白押しのライオンズ。そんな中でさほど注目されてませんが、秘めた力はすごいものがあると思わせるのが、G.G.佐藤です。入団が遅かったのでもう若手という年齢でもないですが、その巨体から生み出されるパワーで、ひとたびブレイクすればとんでもない成績を残すのではないかと、ひそかに期待中。


開幕二試合はスタメン出場を勝ち取り、さっそくの大活躍を見せました。この無茶な登録名が広く野球ファンに知られる日も近いのか? う〜ん、それもある意味こわいような(苦笑)。