プロ野球戦力分析 2012 パ・リーグ編その3

最終回ということで、一応順位予想もつけました。


北海道日本ハムファイターズ
○2011年成績 72勝65敗7分 2位 482得点 418失点 得失点差 +64
主な戦力異動:+スレッジ -ダルビッシュ


とにかくダルビッシュの大穴。これに尽きると言えます。で、その穴がどのくらいかということなんですが、RSWINにして4.96。すなわち、平均的な投手が穴埋めしたとしても5勝減=5敗増=貯金にして10個減ということになります。日本ハムの去年の貯金が7ですから、これだけで借金転落ですね。実際上は、232イニング分の平均的投手を用意できるとは思いにくいので、もっとマイナス幅は大きくなると思います。


他のピッチャーを見ても、両武田は期待できるとしても年齢的に上がり目は薄い。ケッペルとウルフもそれほど成績は良くなく、期待込みでも斎藤佑樹開幕投手とは苦しい台所事情。斎藤佑も2年目での成長を見せられますか。あと、若手では中村勝に期待するくらいですかねえ。


野手陣は、実績のあるスレッジが出戻り加入。田中賢、糸井、中田と中軸はしっかりしているだけに、多少稲葉の衰えがあってもそこそこ戦えそうです。あとは小谷野の復調があればばっちり。もっとも、さほど迫力を感じる打線というわけでもないですが。


フロントがしっかりしたチームとは言え、新任の栗山監督は、采配経験がないだけに不安あり。やはりエースの抜けた穴は大きく、今年は苦しいシーズンになりそうです。


【評価】 投手☆☆☆  野手☆☆☆  総合☆☆☆



福岡ソフトバンクホークス
○2011年成績 88勝46敗10分 1位 550得点 351失点 得失点差 +199
主な戦力異動:+ペニー、ペーニャ、ピント、帆足 -杉内、和田、ホールトン、川崎


あらためて見ても去年の貯金42は圧巻。得失点差+199はダントツの数字で、優勝するわけです。オフは出入りが激しく、行方を読むのが難しいチームとなりました。


杉内、和田、ホールトンと、3本柱がそろって移籍というのは前代未聞ではないでしょうか。3人の合計RSWINは8.94です。投球イニングも多いですから、ダルビッシュ以上に痛いのは間違いありません。ただ、そこはすかさずペニー、ピント、帆足を獲得。実績からしても、平均点以上の働きはしそうな3人で、穴は最小限に抑えられる可能性も見えてきました。さらに新垣がようやくの復活気配。若手の岩嵜や山田の成長、さらに摂津、大隣が働けば……あれ、結構強いような?


リリーフは馬原が離脱。ファルケンボーグがクローザーとなるとして、8回をどうするのか。穴があるとしたらこのくらいですかねえ。


野手は川崎が抜けましたが、去年の成績を見るかぎり、さほどのマイナスにはならなさそう。もっとも、リーダシップ、ムードメーカー的な部分はわかりかねますが。内川は去年は出来過ぎだった気はするんですけど、どうでしょうねえ。新戦力で注目は”メジャー84発”のペーニャ。04年にはシーズン26本打っており、パワーは中日のブランコが「かなわない」と言うほどだとか。ただ近年は打率2割そこそこで三振の山を築いており、まずはバットに当たるかどうかが、問題になりそうです。特大弾も見てみたいですけどね。


まあ、去年の成績を考えればたとえ15勝マイナスでも優勝してしまうのですが、そもそも去年がちょっと出来過ぎな感はあり、たとえ戦力が残ったとしてもあれほどの独走はもともと難しかったであろうとも考えられます。ただ、それらを差し引いてもなお優勝候補であるのが恐ろしいところ。


【評価】 投手☆☆☆☆  野手☆☆☆+  総合☆☆☆☆



○おまけの順位予想
1・ソフトバンク 投手☆☆☆☆  野手☆☆☆+  総合☆☆☆☆
2・西武     投手☆☆☆   野手☆☆☆☆  総合☆☆☆+
3・オリックス  投手☆☆☆+  野手☆☆☆   総合☆☆☆+
4・日本ハム   投手☆☆☆   野手☆☆☆   総合☆☆☆
5・楽天     投手☆☆☆+  野手☆     総合☆☆+
6・ロッテ    投手☆☆☆   野手☆     総合☆☆


あれだけ戦力が抜けたのに、なお優勝候補筆頭になってしまうソフトバンク。すごいなあ。全体的に日本ハムダルビッシュ分落ちただけで、あんまり面白みのない予想ですが、まあ予想なんてそんなものです。予想を裏切って西武の優勝を願ってます。


……こうして見返すと、オリックスの投手評価がちょっと甘いかも。