日経平均リンク債にはご用心

SBI証券でも大々的に広告されてたので目に止まった日経平均リンク債。年利率5.0%という「高金利」が最大の売りで、僕もつい説明書きを読んでしまったのですが、これは相当にリスクの高い商品だなあ、と思わされました(ある程度予想はしてましたが)。


この商品を簡単に説明すると、「日経平均が期間中35%以上下がらなければ、年利5%。ただし、一度でも35%以上下がったら満期日の下落分がそのままマイナスになる(ノックイン)」というものです。今日の日経平均株価が8,653円ですから、35%ダウンというと5,624円ですか。「こんなに下がることはないだろう」と思わせて、5%の金利を魅力的に見せてるのでしょうね。


まあ実際、僕も1年半でここまで下がる可能性は低いとは思います。思いますが、ゼロではないことも確かです。リーマンショックの時なんかは、1年で半分以下でしたからね。まずはそこに注意しないといけません。


そしてもう一つ厳しいのは、「早期償還条項」がくっついていること。これは「年4回の評価日時点で、日経平均が5%以上上昇していると、その時点で打ち切り」というもの。つまり、年利5%と言っても日経平均がちょっと好調ならば、最初の3ヶ月だけで終わってしまうわけです。なお、たとえ日経平均が10%上がっていても5%しかもらえないのは変わりません。


要するに「損失は数十%以上もありうるが、利益はどう頑張っても5%止まり。それも3ヶ月で終わりの可能性あり」な仕組みなわけです。


まあそれでも、理解して上手く使えば使いようもあるのかなあ、とは思いますが……正直、あまり上手い利用法を思いつかなかったり。あえて言えば、「今後日経平均は−35%より強く+5%よりは弱い」と確信できる場合でしょうか。でも、日経が弱いのを予想するのだったら、単純に空売りを目指したほうが良いでしょうねえ。


そんなこんなで疑問は残ったのですが、今見たら完売になっていました。さてどうなりますやら。個人的には、希望も込めて「最初の3ヶ月で終わり」を予想したいです。



※なお、本記事はあくまで僕の理解に基づくものなので、細かいところとか間違っている可能性があります。ご注意ください。