「検証 邪馬台国論争」

検証 邪馬台国論争 (ベスト新書)

検証 邪馬台国論争 (ベスト新書)

数十年どころか、数百年にわたって検討されているのにいまだにはっきりしない邪馬台国の謎。僕はさほど邪馬台国フリークというわけではないのですが、それでもこういう本を読み始めると一気に引き込まれてしまいますね。江戸時代から現代に至るまで、いかに多くの人がいろんな説を出してきたことか。


結局「魏志倭人伝の表記だけでは良く分からん」という身も蓋もない結論から、現在は考古学的物証を重視し、畿内説が有力になっているみたいですが、本書はそうした論争の流れをおさえて、分かりやすく紹介してくれています。


で、最後に著者自身の仮説が示されるのですが、ここはいまいち分かりにくかった。古事記日本書紀、さらに神社の神々に詳しくないとついていけません。神話が現実の反映として読み解ける系の話はロマンがあって良いのですが、下手をするとこじつけになっちゃいますので、さて、どんなもんでしょうか。


それにしても、日本神話の登場人物の名前は読みがきついです。倭迹迹日百襲媛命(やまとととひももそひめのみこと)とか、一息では読めそうにありません。ロシア文学もびっくりですよ。