「荒野」の感想追記
- 作者: 桜庭一樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/05/28
- メディア: 単行本
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一昨日は結構絶賛しましたし、それはそれで変わらないのですが、やっぱり悠也との中については消化不良だったのではないか、という感覚がジワジワと出てきたりします。
このお話自体、荒野と悠也の出会いのシーンから始まるわけで、最初はこの二人の間で話が進む構想だったと思うんですよね。それがいつのまにか蓉子さんがメインの相手方になってしまって、巧妙に流れをずらされた気分です。まあ、それがダメという訳ではないにしても、当初からこういう予定だったのかどうか、気になっちゃいますね。
なお、「荒野の恋」との加筆修正点が気になったので調べてみたんですが、思った以上に多くて、ネット上に変更点一覧とかがアップされて無いのに納得しました。大体細かいところなんですが、1ページに一ヶ所以上はありそうな量。よく直してあるなあ、と感心。どれも「改善」という感じで、桜庭さんの筆力の上昇を実感できます。見比べるだけで文章の勉強になりそう。