「フルメタル・パニック せまるニック・オブ・タイム」

フルメタの待望新刊来たー! 即座に購入し、夢中になって読みふけり、ハラハラドキドキ。あっという間に読み終わると、「今回も面白かった」と満足して余韻に浸りつつ本を置きました。やっぱり圧倒的に面白いですよ、今作は。ああ、また次巻を楽しみする日々が始まりかあ……。


さて以下ネタバレ反転で。




本編もついに終盤の雰囲気。とうとう物語の根幹に関わる部分に触れ始めました。「ウィスパード」とは何なのか。まさかこんな理屈をつけてくるとは驚きましたね。ラムダ・ドライバとも一体化した説明は圧巻。タイムパラドックスとかそういうのを丸ごと飲み込みそうな壮大な風呂敷のたたみ方です。


宗介がそれなりに活躍して生き残り、テッサの出番も(表紙に出ているように)久々に多く、また、宗介とかなめが一瞬とはいえ再会することもできました。そこまでは良かった。しかし、クルツ……。


あのひょうひょうとした名脇役ぶりに、どれだけ助けられてきたことか。それだけに最後まで生き残ってほしい人物でしたが、悲しいです。「どうせまた既視感なんだろう」と思わせたのも作者の術中でしょうか。でもそんなに甘くは無かったですね……。


そしてテッサが頑張った反面で、今回もあまり良さを発揮できなかったかなめ。最後のあたりはほとんどかなめの人格とはいえない感じなので罪は無いのでしょうが、元気に彼女らしく行動できた時間は短かったですねえ。レナードの言う世界の改変はやっぱり妙な理屈にしか思われませんが、今のかなめにとっては魅力的に見えてしまうのでしょう。


今後かなめの真の笑顔が見られるのは、ラストと言うことになるのでしょうか?