「エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?」

エンロンについては多少本で読んだことがあるのですが、その映像版です。やはり映像になるとまたリアリティが違ってきますね。


栄華を欲しいままにし、革新的なアメリカ企業の代表格ともてはやされたエンロン。しかしその実態は、不透明で違法な会計作業と、倫理を問わず「利益」を生み出すことにのみ長けたトレーダーの集まりでした。不正が不正を呼び、やがて制御できなくなり、ついには崩壊する。


単なる個人レベルの粉飾詐欺ならまだそれだけですみますが、エンロンのひどいところは、数万人の従業員を巻き込み、なおかつ多くの国民をも被害に合わせたということでしょう。特に、カリフォルニア州電力自由化を機会に、州民のことなどまったく考えずに金儲けに走る様子は、「邪悪」としか言い様が無い情景でした。わざと停電させて電力価格を吊り上げようとは……。日本の電力自由化議論にも大きな影響を与えたそうですが、同様のことが起こらないようにしっかりとした作りでないといけないと考えさせられました。