「神狩り２」

神狩り 2 リッパー

山田正紀の名を一躍世に知らしめた（と言ってもその頃知りませんが）前作、「神狩り」より約３０年。まさか続編が出てるとは知りませんでした。「トップをねらえ!」に続編が出たのも驚きましたが、それ以上に驚いた。

個人的にはかなり楽しめました。前作は言語学的うんちくで神の存在を構築しようとしていましたが、今回は人間の脳と心の理論が主に使われています。意識野がどうとかクオリアがどうとか。熱心に研究の進められている分野だけに、この選択はヒットだと思います。持ち前の筆力で実にもっともらしく大風呂敷を広げてくれて、読んでいて信じそうな強烈な印象を与えてくれます。こういうのがＳＦの醍醐味ですね。……まあ、広げたあとに畳まず放り投げてるんですけど（汗）。

本当にこの話を書ききるには、あと数冊は必要なんじゃないかと思ったりいたします。