「荒野の恋 第二部」

荒野の恋 第二部 bump of love (ファミ通文庫)

荒野の恋 第二部 bump of love (ファミ通文庫)

さて、結構待ちました荒野の第二巻ですが、しばらく前に読み終わりながらも、意外とこれといった感想が出てこなかったりします。いつもながらに桜庭さんの書く少女の(暗さをも含んだ)みずみずしい感性は素晴らしいのですが、逆に言うとそれ以外の印象は薄かったかも。荒野に近づく男の子ですとか、パパ関連の人間関係ですとか、しっかりとお話は進むのですが……ん〜、肝心の荒野があまり動いてないためですかね? 三部作の真ん中ですからしょうがない部分もあるのかもしれません。良作であることは間違いないと思います。「ファミ通文庫」という枠に収まるべき作品なのか、未だに首をひねってしまいますけど。


以下反転。



お話の中で大きいのは蓉子さんの妊娠でしょうか。色々と荒野の心に波紋を残していくのが分かります。つい蓉子さんのことを「ママ」と呼んでしまうあたり、どこか居心地の悪い荒野の気持ちが伝わってくるような気がしました。


あと阿木君、タバコを吸うのはダメですから。なんと言うか裏切りですよ。このシリーズ、読んでいると「女の子から見た男の子の分からなさ(一種の恐さ)」というものを追体験できますね。そこがすごい。