2005年・パリーグ戦力分析 その2・オリックスバファローズ編

●投手陣 ★★
合併強化の目玉であった岩隈には徹頭徹尾拒否されて逃げられてしまいましたが、JP(旧登録名パウエル)とケビン(同バーン)の獲得はさりげなく有効なはず。仰木監督お得意の登録名変更ははっきりいってあまり決まっていないようにも思われますが、技巧派のJPに速球が売りのケビン、二人で20勝ほどは期待できるはずです。合併で一番の補強が外国人というのもいまいち微妙なものがありますが……。エース格は川越。まだ「格」の字は取れませんが、15連敗の悪夢から抜け出した昨年はなかなかに力強い投球を見せていました。久々の二桁勝利が期待されます。問題はこのあと。ユウキや加藤が候補にあがっていますが、果たしてどこまで出来ますか。二人とも若いだけに、一本立ちすれば今後のチームにとっても大きい財産となります。山本省や光原らも合わせた若手の出来が、今年のみならず将来に向けての重要なポイントになることでしょう。
大きく勝ちこせるエースがいないのと、抑えの山口に全幅の信頼を置けないなど問題点は多いので、合併したとはいえ今年も台所事情は苦しそうです(だいたい、両球団とも弱投だったわけで……)。若手がうまくはまればそれなりに数はそろうかな、くらいでしょうか。



●野手陣 ★★★
合併強化の目玉であった中村紀にはメジャーに去られ、あまつさえ大村もFAでホークス行きと、投手以上に合併効果がいまいちとなってしまった野手陣。一体オリックスにとってこの合併というのは一体なんだったのだろうかと考えてしまうところでありますが、一番大きいのは北川の獲得でしょうか。5番は十分張れそうですし、そのムードメーカーぶりにも期待がかかります。村松と谷は健在なので、あとは毎年おなじみの新外国人頼み。ブランボーとガルシア。少なくとも名前はすごく強そうです。オープン戦ではブランボーが4番として働いているので、村松、平野、谷、ブランボー、北川の1〜5番まではめどが立ちました。ただ、下位はちょっと弱いですかねえ。キャッチャーを日高でいくか的山でいくか微妙ですが、打力を取って日高のほうが良いのではないかと思います。



●総評  ★★
もともと3年連続最下位のチーム。合併して選手層は多少向上していますが、上位クラスとは言えません。またゴタゴタによるチームのモチベーション低下も気にかかるところです。直接的には戦力に関係ありませんが、観客動員もおそろしく落ち込みそうな予感が。そんななか、一番の希望は仰木監督の手腕でしょう。高齢による健康面が心配になりますが、近鉄オリックス両チームで指揮をとったことに加え、現存選手の適正を見出して起用する能力はまさに新チームにぴったりです。投手に関しては長い目で見るしかないと思いますが、打線は去年もリーグ2位のチーム打率を記録していて、采配いかんによって上昇の目はあるはず。お得意の猫の目打線も冴えますかね。



★私的注目選手
……特に思いつきませんでした。ううむ、どうもイチロー離脱以来続くスター性の薄さを打破できていない感がいたしますね。あえていいますと打のブランボー、投の山本省の活躍ぐあいに注目というところでしょうか。