「四季 秋」「四季 冬」

四季 秋 (講談社ノベルス)

四季 秋 (講談社ノベルス)

四季・冬 (講談社ノベルス)

四季・冬 (講談社ノベルス)

真賀田四季博士4部作の後半二冊。面白かったし一気に読みましたが、どう感想をつけていいのかむつかしい話でもありました。
まず「秋」ですが、こちらは博士の出番がほとんどなし。四季様の活躍を期待していたので少し拍子抜けではありました。一方で久々に犀川先生と西乃園萌絵が主役的に出てきます。時間軸的にS&Mシリーズの後になりますので、これはこれで嬉しいところではありますが。さりげなくも唐突に二人の仲が進展しているのが見どころといえば見どころでした。
「冬」はいよいよ最終巻。また時間はすぎて、四季のモノローグというか、誌的な短文が流れるようにつづられます。おかげでページの進むのが早いこと(苦笑)。その間に挟まれるようなエピソード。抽象的で分かりにくい部分はありますが、ここまで読んでくれば慣れてもいます。「秋」では少なかった四季博士の思考論理(森博嗣さん節ともいえますかね)がたくさん見られるので良かったですね。稀代の天才のたどり着いた境地はいかに? 魅惑的なキャラクターだっただけに、物語がこれで終わりかと思うと寂しい感じです。