本宮ひろ志氏の「国が燃える」休載へ

作品は未読なので内容についてはなんとも申しませんが、「こういうのは一体どこまでが正当な抗議で、どこからが表現の抑圧なんだろうかなあ」などということをつらつらと考えさせられるニュースでした。でも結局、そのあたりは「立場によって違う」としか言いようがないのでしょうねえ。僕なんかも新聞やら雑誌やら読んでいて「それは違うだろう」みたいな思いを抱くことも多いわけですが、一方ではそう思って書いている人や賛同している人もいるわけで、難しいです。
ただ、いずれにしても今回の休載という自主規制的決定はあまり良い方法とは言えないのではないでしょうか。他の作家や次号以降もある雑誌の特性上、しょうがない部分もあるのでしょうが、あっさり休載とか終了にしてしまっては今後似たようなことが増えそうでちょっと心配です。抗議された側のみならず、実は抗議した方にとっても、あまり好ましからざる結論だったのではないかなという気もしますね。
今回の件でなんだか、以前トンデモ本シリーズで山本弘さんが書かれていた「トンデモ本の出る社会は幸せである」みたいな文を思い出しました(文面大分違うかもしれませんが)。「アインシュタイン相対性理論は間違っている」とか、「NASAは月に行っていない」とか、「世界はニャントロ星人に支配されている」とか、はっきり言って荒唐無稽、どう考えても正当でない主張が堂々世に並べられているくらいが、結局は平和なのかもしれません。……そう簡単なものでもないですかね。