CLANNAD感想 その7

この感想文もどうせやるのならチャキチャキ進めないとですね……。

相楽美佐枝

 「美佐枝さん」という呼び方ばかりが印象に残って名字は地味な方。一応確かめてしまいました。サガラと言うとどうしても宗介を思い出してしまったりしますが、漢字は違うのですな。シナリオのほうは朋也×美佐枝と思わせておいて実は志麻君(猫)と若かりし頃の美佐枝さんの物語。CLANNAD過去編という感じで、KEYらしいおとぎ話がつむがれます。このパートは志麻君はじめサキ、ユキも良いキャラでほのぼのとした雰囲気が楽しかったですね。美佐枝の思い人である五十嵐君もこの手の役どころにしては珍しくなかなか好人物で、春原シナリオにおけるサッカー部にもこのくらいの配慮があったらと思わずにはいられないところでありました。皆さんCGも欲しいところです。
 ただこのシナリオ、ラストがラストになっていないというか、いまひとつオチてないですよね。結局朋也と美佐枝の進展はうやむやになっていますし、作品全体で見ても存在感に欠けます。一応光の玉の説明には少しなっているとはいえ、志麻君(人)も他ではさっぱり絡んできませんし……。あとなんと言っても智代シナリオでの光の玉回収というのは凶悪でしょう。智代を先に通ったプレイヤーは相当困ったのではないでしょうか? サブキャラとしては十分かもしれませんが、ちょっと中途半端な取り扱いだったかもしれない、というのが感想です。


宮沢有紀寧

 「おまじないのユキネちゃん(有紀寧の漢字が難しいのでカタカナ覚え)」 本筋は二の次で、おまじないのはじけぶりにばかりスポットが当たるというのは良いのか悪いのか分かりませんが、その破壊力は絶大でした。倉庫イベントはじめ、数々の不可思議事象を引き起こしてくれます。おそるべしおまじない。さすが、”のろい”と同じ漢字なだけはありますね。
 ……で、本人のシナリオについてな訳ですが、こちらは困ったことに印象薄くなってしまっています。まあ地味なのはともかく、問題としてはいわゆる不良な方々が美化されすぎではないかという点ですね。どうこう言えるほど知識はないのですが、ちょっと現実味に欠けるような……。これはこれであっても良い世界、といえばそうなのですが、微妙なところです。どうもCLANNAD全体「優等生に厳しく外れ者に寛容」なところがあるような気がしてしまうんですよね……。麻枝さんの傾向としてあるんでしょうか?


幸村俊夫

 うう、いい話ですねえ……。ありがちといえばありがち、おまけといえばおまけ的なシナリオですが、なぜか泣かされます。萌えも何もないキャラでこれだけ心を揺さぶられるわけですから、やはりKEYの話のつくりはうまいというかツボを心得ているというか……。
 このシナリオにおいては朋也や春原がどう今後の人生を歩んでいくか、わりと不透明です。いわばAfterStoryで語られる「誰かと出会えなかった朋也」の図でもあるわけですが、それでも感謝の言葉を伝えられる恩師が一人でもいたのならば、きっと頑張ってやっていけるのではないか。そう思わせてくれるエンドでもありました。