その1・東北楽天ゴールデンイーグルス

ゴタゴタの末に誕生した実に50年ぶりの新球団。選手名鑑の「新球団につきチーム通算成績なし」との記述が実に新鮮に見えます。




●投手陣 ★★

エース岩隈の存在は大きいですが、さすがに一人では勝てません。鍵を握るのがずらりと並ぶベテラン達(35歳以上のピッチャーだけでも9人もいるのは驚きです)。その中でおそらく金田、川尻、ホッジス、ラス、高村あたりが先発ローテに入ることになるのでしょう。中継ぎとしては戸叶、谷中、吉田に小池らでしょうか。彼らの多くは去年の成績も決して良いとはいえず、数字だけ見ていると相当に厳しい陣容に見えます。ただ、ここで期待するとすれば、新球団としてのモチベーションの高さ。ベテラン達が楽天を最後の働き場所と思い定めてこれまでの経験を遺憾なく発揮すれば、特に春先は相当に良い戦いができるのではないでしょうか。ただ岩隈も含めて夏場以降のスタミナに課題があるのと、どうしても抑え投手がきつい(小山? 福盛?)ので、星2つでも甘いかなというのが正直なところではありますが。一場が新人王クラスの活躍をしないことには、上昇は難しそうです。




●野手陣 ★★

打撃陣は強力とまではいえませんが、それほど悪くないと思います。礒部を中心に、吉岡、川口、鷹野、山崎ら脇を固めるには良い人材がそろいましたし、心配された主砲もとりあえずロペスが良い感じなので、このままいけばそこそこの戦いが出来るでしょう。ただいかんせん、強力打線のそろうパリーグにあっては見劣りするのは否めません。加えてオープン戦では肝心の礒部が絶不調に陥っていて心配されます。去年は近鉄選手会長として奔走しただけに、心身ともに疲れが残っているのか、「新チームの主将」という責任感から気負いすぎてしまっているのか……。いずれにせよ礒部が3割20本クラスの成績を残してくれないことには、構想が狂います。どの程度で修正上昇がなるのかが注目されます。




●総評  ★★

星2つは最低評価よりは上だと思う、ということで。実力以前に新球団としての勢いに乗れるかどうかが重要になると思います。少なくとも選手達のやる気は十分なはず。結果はともかく、まずは地元仙台になじみ、受け入れられるだけの戦いぶりを見せてもらいたいですね。




★私的注目選手1・金田政彦

岩隈が勝つのは当然としまして、ローテの2番手が重要な楽天。その貴重な候補投手として名前が挙がります。ここ2年はぱっとしませんが、02年の最優秀防御率時の投球はかなりのものでした。もう一花の活躍をする可能性は結構あるのではないでしょうか。




★私的注目選手2・竜太郎

なんと言っても登録名にインパクトがありますが、売りの打撃もだいぶんと力強くなってきました。昨年は規定打席不足ながら3割をマーク。代打の切り札としてはもちろん、レギュラーでの出場を見てみたい選手です。