輪るピングドラム 第19話「私の運命の人」

いよいよ物語も佳境、シリアスな展開に目が離せません。これまで広げてきた要素が、色々と収束していきそうです。


まずは冠葉。前回、多蕗相手に言った「父親の居場所を知らない」というのは嘘でした。あの状況でそこまでハッタリを効かせられる演技力と度胸には脱帽です。僕も騙されましたが、実際には頻繁に会っている模様。仲も以前と同じように良さそうで、不思議になるほどです。冠葉は両親の思想に共鳴しているということでしょうか。もっとも、その思想自体まだ明らかになっていませんが。


そんな中で、陽毬の退院パーティ。苹果もすっかり高倉家に入り浸ってますねえ。高級すき焼きの前に陽毬からのプレゼント。頑張って選んだだけあって似合ってましたが、1号2号は、あれはどうなんだ……。ですが、笑顔の影で陽毬の心情は沈んでいるのでした。前回も言っていたように、自分はもう助からないと思っているんですね。そしてまた、自分の居場所が分からないとも。それはただ、長期入院患者の錯覚というだけではなさそうでした。


一方で、真砂子は日記の価値が分からず、戸惑っていました。おそらく「日記があればマリオが助かる」程度のことしか知らされていなかったのでしょうね。これは意外。確かに、いきなり魔法がどうこうと言われても困るかもしれませんが、それを言ったらエスメラルダの存在はどうなるのやら。眞悧の目的は相変わらずいまいち分かりませんが「この間違った世界を正したい」と、少しヒントが出ました。ただ、日記があるとゲームに勝てないとも。ふむう……。


真砂子の行動がちょっと分かりにくいのは、マリオ救済と冠葉奪還とを同時進行させてるからなんですね。日記はひとまずおいて、今度は高倉家に乗り込んで陽毬と対峙。二人の会話はBGM無しで緊迫します。「思い出し弾」は当たらなかったものの、陽毬は過去を取り戻す。まさかまたしてもこどもブロイラーとは! そして、彼女の運命の人は晶馬!? さらなる衝撃の展開でした。だからこそ、晶馬に近づく林檎を見て、自分の居場所を不安に思ったのですね。


冠葉と晶馬とが実の兄弟でない可能性は考慮していましたが、実は陽毬も含め、みんな血はつながっていなかったのでしょうか。いよいよもって「家族」のテーマが深くのしかかるとともに、今後の展開が気になるばかりです。