「魔法少女リリカルなのは Reflection」

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さて、久々のなのはです。ちょっと迷ったんですよね。今回は監督も違いますし、なのは達もいまさらのように小学生に戻るようですし、迷走していやしないか、大丈夫かなと。それでも、考えてみれば僕も結構これまでなのはファンやってきましたし、一週間様子を見て評判もそれほど悪くないようなので行ってまいりました。音楽の中條美沙さんは続投なので安心。佐野広明さんはどうされてるんでしょう……。


どうもゲーム版のキャラや設定を一部持ってきているようですが、そちらは未プレイ。舞台時系列的にはA'sのあと数ヶ月というところのようで、魔法少女たちもいつも大きな戦いに巻き込まれて大変だなあと思ってしまうわけです。もうちょっとゆっくりさせてあげたい。というか、別に1年くらい飛ばして小学6年生にしちゃっても良かったんでないの、と思ったり。まあ、ゲーム版との整合性の絡みで難しいのかもしれませんが。SAOのオーディナル・スケールマザーズ・ロザリオからたった2週間後の話らしいので、主人公は忙しいものですなあ……。


以下、微妙にネタバレしつつ。


ストーリー的には、キリエとアミティエの姉妹ゲンカに巻き込まれている感はありましたが、全体的にはしっかりと「なのは」でありました。考えてみれば、なのはは久々でも、この都築節は割と最近「ViVid Strike!」で見てましたっけねえ。キリエが家族のために無理をして悪役になってしまうのはシリーズのお約束的な部分がありますが、果たして彼女たちはこれからどうなってしまうのか。2部作なので後編をお楽しみに、と。


細かい点では、アリサとすずかの登場は嬉しかったですね。だいたい、アリサとすずかは本来、なのはの親友ポジションであるのに、すっかりフェイトやはやてにその座を取られてしまって寂しい話なのです。でも、少なくとも都築さんに忘れられてなくて良かったなあと。少々驚きだったのは、2人の両親まで割としっかり出てきてたことで、リンディも含めた母親組の交流は新鮮でしたね。もっとも、両親たちも割とフェイトの養子の話や魔法の話を受け入れているあたり、いったいどこまで魔法関連の話を秘匿しているのであろうかという疑問は生まれてしまいましたが……。


全体的にはバトル成分多めの出来でしたが、派手だった反面、単純な力押し&バインドたくさんという感じで、少々パターン不足が気になりました。あと、魔法攻撃はいまいち威力がわかりにくいというのも否めません。まあそこはいまさらなのでしょうがないか……。


それと、やっぱりキャラが多いと。これはstrikersでも言えたことでしたが「味方が多い」→「敵も多くしないと」。ということで2倍に増えてしまう。難しいものです。「王様」のディアーチェたちは本来原作ゲームのキャラだったようですが、今作の範囲では、イリスにぽっと呼び出されて戦っているだけという感じで、キャラにあまり魅力を感じませんでしたねえ。後編では挽回がありますでしょうか。


最後になりますが、結局「なのははヒーロー!」ということで。僕がなのはシリーズで少々引っかかってきたのは、なのはが強すぎ、立派すぎというところだったんですが、今作のラストを見ると、もうそれでいいや、という気分にもなりました。彼女はすごい魔法でみんなを助けてくれるお姫様なんです。


……ま、アリサの前では少し年相応の表情も見せてましたけどね。こうしてスクリーンやテレビの前に映るとき以外の彼女は、そうした表情も多いと良いなあ、と結局思ってしまいます。


映画の点数にすれば75点くらいでしょうか。普通に楽しめましたし、後編も見にいくでしょうけど、1作目2作目の高い完成度に比べるとやっぱり点は落ちてしまいますねえ。個人的には、なのは達が15歳くらいの時のエピソードをお願いしたいのですが。