機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 第45話「これが最後なら」

さて、感想すっかり飛ばしてましたが、いよいよ物語は佳境にしてここ数回引き込まれっぱなしです。


マクギリス、ラスタルガエリオ、そして鉄華団。三すくみ、四すくみとも言えそうな複雑な関係性で話が進んでいますが、面白いのはどの陣営が正義とも言い難いことですね。ギャラルホルンの腐敗の権化とも言えるラスタル、革命を標榜するもののその真意は未だに測りにくいマクギリス、マクギリスを糾弾しながらも視野の狭いガエリオ、そして、「上がり」を求めながらも現実は大人たちの都合で利用されている状態の鉄華団


これがよくあるアニメであれば、なんだかんだで最後は主人公が勝つんでしょということになる(あるいは、主人公側が負けて終わりでも、世界が何らかの形で変わったり)するのですが、そもそも何が正義なのかわからないので、展開が読めません。ただ、このままでは鉄華団の行く末が辛いものになりそうなのは伝わってきますね。


今回のエピソード。まず印象的だったのは、優位に戦いを進めながら、さらにダインスレイヴをも正当化したラスタルの卑劣さでした。この人、周囲から見ると頼もしいリーダーで、実際有能なんでしょうが、やっぱり駄目なギャラルホルンの象徴でもあるということがよく伝わります。それに感心しているイオク様も、自分の方こそ手駒になっているガエリオもやはり「ギャラルホルンの常識での善意」しかもっていないことが分かりますね。


さりとて、バエルに乗って味方を鼓舞しようにも、具体的な策が見えなかったマクギリス。彼は結局「愚者」で終わってしまうのでしょうか? 個人的には石動ではないですが、マクギリスの作る世界を観てみたいような気もするのですけどねえ。話の王道の流れからすると生き残りそうにないキャラなんですが、マッキー。そこをなんとか。


そして今回の主人公とも言えたシノとヤマギ。シノの攻撃は確かに一瞬ラスタルを恐怖させるほどのものでした。これは本当に決まるんではないかと思わせる描写だった。それだけに、外したときのシノの絶望の叫びが心に刺さりすぎます。ヤマギがシノのことを慕っていたのは明らかですが、それも最後まで伝えられずに終わってしまったのですかね。嗚呼……。