ViVid Strike! 第12話「繋いだ手の中で」

1話前で戦いの決着がつき、最終回はじっくりエピローグという、なのはシリーズおなじみの構成を久々に楽しみました。


細かく言えば結構注文点はあります。たとえばリンネの声が幼い頃の感じに戻っていたこと。これは演出としては分かるんです。分かるんですが、逆に分かりやすすぎというか、ちと安直に感じちゃったなあと。声はあまり変わらずとも、変化は表現できたのでは?


それと、二人の試合の配信が勝手に色々ばらまかれていたこと。そりゃまあ別に秘密試合ではなかったにせよ、ほとんど友人同士の喧嘩でしたから、プライバシーの観点からはどうなんだというか。フーカもリンネも恥ずかしかっただろうなあと。ま、そのおかげで話が進んだのも確かではありますけどねえ。こんな死闘を見せられたリンネの同級生も困惑したことでしょう。


とはいえ、なんといってもフーカとリンネが仲直りできたこと。それに、リンネとジルの関係もしっかり再構築できたこと。「私たちの戦いはこれからだ!」と未来に希望を持てる幸せな最終回でした。特に、リンネが実は格闘技を愛していたという自覚は、前回の戦いの最中にも独白がありましたけど、個人的には感涙のツボなのです。ただ強くなるために無理やりやっているだけでなかった。格闘技に費やした日々は大事なものであってくれたのだなあと。まだまだお子様のヴィヴィオさんにはそんな深いところまでは分からなかったのですよ。


おまけの決勝戦は描写省略。エンディングの二人の様子でほのめかされた程度でしたが、個人的には、はっきりアインハルト勝利で描いてくれても良かったと思いますね(エンディングでベルト持ってるとか)。フーカがいくら才能あっても、たかだか数ヶ月でアインハルトを追い抜けるとは思えないので。



以前の感想でも書きましたが、今作はなのはシリーズ久々のヒットというか、原点回帰した魅力を味あわせてくれました(タイトルに「なのは」はないですが)。当初、いきなり「ViVid Strike!」というタイトル、そしてフーカとリンネというキャラが発表されたときにはどうなることかと思いましたが、終わってみれば愛おしい作品となりました。たとえ作画的には大したことがなくても、都築さんの脚本には感情に訴える力があります。まさにリリカルですね(こっちもタイトルにはないですが……)。