西武ファンは捕手・森友哉の夢を見るか?

森「真っすぐ一本。三振OKの気持ち」で3年目初サヨナラ打(スポーツ報知)


8月は14勝10敗と勝ち越すなど、いまさらのように好調な西武ですが、現実的にはAクラスは絶望的。もう来期の監督がどうだみたいな話ばかりが気になる秋となってしまいました。


そんな中、一服の清涼剤であり、注目材料なのが森友哉の捕手としての出場です。昨年はついに一度もなかった捕手ですが、今年は後半戦に入って徐々に出番を増やしてきました(さすがに株主に言われたからなんて主体性のない理由ではないと思いたいところですが、それもありそうなのが近年のチーム雰囲気的に怖い話ではあります)。そして、昨日はマスクをかぶりつつのサヨナラヒット。その存在感を大いにアピールしました。


入団時から、「打てる捕手に」と期待の大きな反面で、守備の弱さからDHや外野での出場が主になってしまった森。しかしもう3年目も終わろうとしているのですから、いつまでたっても中途半端な起用ではいけません。はたしてこれから球団と森はどんな道を選ぶのか。その覚悟が問われます。


面白いのはファンの間でも意見が分かれていることで、打撃を活かして外野もしくはサードへの転向を勧める派と、我慢してでも捕手として育てよう派で真っ二つになっている感が。僕はどちらかと言えば捕手派です。確かに、現時点での捕手能力は炭谷に及びもつきませんし、「捕手だと疲れて打てなくなる」という意見にも一理ありますが、それはあくまで現状での予想に過ぎません。森はまだ21歳。伸びしろは十分あると見ます。少なくとも、見切りをつけるにはまだ早過ぎるかと。ダメならダメで、それからコンバートしても遅くはないでしょう。


チームのことなので他選手との兼ね合いもあります。炭谷がせめて2割5分の10本くらい打ってくれるのであれば森コンバートでもまだ納得できるのですが、実際は毎年2割1分の体たらく。いくら守備が秀でていてもこれでは良い捕手とはいえません。森捕手待望論の影に炭谷への失望あり。厳しいようですが、炭谷が正捕手のうちは西武の浮上は難しいでしょう。仮に森が捕手失格だとしても、次の正捕手候補を獲得する必要はあります(中日さん、木下使わないのならくれないかなあ。さすがにルーキーは無理か)。


ともあれ、「打てる捕手・森」はまだ可能性の段階です。しかし、そこから漏れてくる光は十分に魅力的。残りの試合で、いかにその輝きを増すことができるか。期待を持って見守ることといたします。