うたわれるもの 偽りの仮面 第17話「残照」

ついに、ハクの素性が明らかになる回。かつての文明とその崩壊については前作でも触れられていましたが、「その後」の様子をより詳しく描き出しているのが今作ですね。


ハクはかつて、地球環境を改善するための研究を行っていた研究員だったと。前作の「アイスマン計画」とは別方面の事業だったようですね。間接的ですが、ハクオロさんも登場ですか。ハクは兄の「新人」研究の実験台となりますが、「災厄」で研究は頓挫。兄は一人生き残り、やがてヤマトの帝となっていくのでした。


いやあ、まさか帝がハクの兄だったとは。たしかに同じ人間形態だったとはいえ、これは予想できませんわ。ハクが、そして帝が生き残ったのも、「新人」改造を受けていたためでしょうか。ハクの体力はそんなに優秀には見えませんが、頭脳方面に能力がいっているのかもしれません。ただ、それでもハクが雪の山中で突然目覚めたのは謎のまま。これは今後説明があるのか、それともスルーされるのか。


記憶を取り戻し、兄との再開もあり、どことなくぼんやりした表情でクオンのもとに帰ってきたハク。あんなスケールの大きな話を聞いたら、目の前が現実離れして見えるということでしょう。原作からあるものか、アニメでの演出か分かりませんが。こういう描写がうまい。


そして、前作でエルルゥが歌った子守唄から、いよいよ舞台はトゥスクルへ。おお、オボロが本当に王様をやっている。う〜ん、この衝撃的光景(特にヒゲ)。まあ側近が優秀そうなので大丈夫でしょう。ウルトリィの安心感よ。しかし、そこにはさっそくヤマトとの軋轢が。うわあ、もうどうなることやら。


帝がハクによせる兄弟愛は本物でしょう。ただ、それは今のハクに受け入れられるものなのか? ウズールッシャに対する容赦のない攻撃、そして、今の人々を「デコイ」と呼んでさげすむ姿。この辺はきっと、大きなズレになってくるように思うのです。いずれにしても、長い温泉とお酒の前ふりを経て、いよいよ佳境に入らんとする物語。目が離せなくなってきました。