すべてがFになる

これまで全然触れてませんでしたが、見てました。無事最終回。ノイタミナ作品を最後まで見たのは結構久しぶりな気もします(振り返ってみたら、「残響のテロル」以来なのでそれほど久々でもなかった。しかしあの作品もなんだか良く分からないシロモノではありました)。


原作は「四季」の方も含めて一応既読。とはいえ、それこそ10年以上前のことでしたので、内容はうろ覚え。おかげで展開やトリックも含めて新鮮に楽しめました。やっぱり四季のしたことってひどいよなあ……。なんか見た目は清楚な美人で静かに語っちゃったりするのでそのギャップが激しいです。天才すぎて善悪を通り越し、常人には計り知れないという描写の仕方が今作のすごいところ。


原作は小説なので、犀川先生や萌絵の映像化も楽しみでした。なるほど、こんな感じかと。僕の中では犀川先生はもうちょっとカッコ良かったかな。でもおおむね納得の範囲です。少しだけイメージよりも年をとったという感じで(といっても、素直に設定を考えれば結構な年齢で当たり前なのですが)。そして萌絵。茶髪でしたっけ。ショートヘアのイメージは残っていたのですが、髪の色までは考えてませんでした。


犀川先生と真賀田四季が中心のような今作ですが、やはり萌絵だと思うんですよ、肝は。彼女、ちょっとエキセントリックなところもあって、分かりやすく可愛いヒロインというわけでもないんですよね。まあエキセントリックといってもあくまで現実的範囲の挙動であって、一部ラノベ的ヒロインのような無茶さではないですが、リアリティがあるからこそ鼻につく部分もあるというか。


でも、読者(アニメだと視聴者)が萌絵を見ていくに連れ、そして彼女のこれまでの人生と犀川先生との関係が示されていくに連れ、次第に彼女の個性が愛おしくなって来るんですよね。美少女キャラに対する萌えとは一味違う(名前は萌絵ですが)、人間としてのエネルギッシュな魅力といいますか。犀川先生がどこか厭世的な雰囲気なので、良いコンビです。


さて、本作は良いアニメ化でした。売り上げ次第なんでしょうが、できればこのまま「S&Mシリーズ」定期でやってほしいものです。原作ストックはまったく問題ないわけですし、二人の活躍がこれっきりなんて寂しすぎるでしょう。「封印再度」とか「幻惑の死と使途」なんて、タイトルだけで好きですよ(例によって内容は忘却ですが)。