Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 第24話「無限の剣製」

最後の戦い。士郎とギルガメッシュの死闘。聖杯を打ち砕くセイバーの聖剣。クライマックスに相応しい見応え充分の回でした。


たとえ空っぽのあこがれであっても、偽善であってもそれを貫き通してみせるという士郎の決意。それを浅はかだと誰が言えましょうか。


「信じろ。俺はきっと、あいつに勝てる!」


駆けつけたセイバーとの会話も良かったですねえ。普通に考えればセイバーにギルガメッシュを任せるか、協力して戦うという選択になるはずなんですが、この自信。その士郎の言葉を信じて凛のもとに向かうセイバー。もうマスターとサーヴァントではないとはいえ、両者の信頼関係が伝わりました。


「偽物が本物にかなわないなんて道理はない」


そして生み出される固有結界、Unlimited Blade Works。いや、ここは「無限の剣製」といったほうが良いのでしょうか。英雄王の宝具に投影で対抗する士郎がかっこ良すぎ、音楽も含めて熱すぎですね。それに、アニメで見ると「相性の良さ」というのがよく分かります。士郎の言う通り、いくら固有結界を作っても、相手がバーサーカーとかだったらなんの太刀打ちもできなかったでしょう。しかし、ギルガメッシュは最強でありつつも、いや、最強だからこそ、その戦法は安直。ひたすら宝具を投げつけてくるだけという素人の戦い方です。加えて、Zeroやセイバールートではつけている鎧もつけない慢心っぷり。だからこそ士郎にも付け入る隙があったというのが了解できます。


一方でセイバーさん。もしかして最初で最後の見せ場でしょうか? 少なくとも2クール目では唯一の見せ場と言ってもよいでしょう(一応アサシン戦もありましたけど)。もしアニメ初見で、ブリテン云々の知識もなければ、彼女の剣がエクスカリバーであることすら、ここで初めて知った方もいたかもしれません。美しく強大な一撃で聖杯を消し去ってくれました。その後の静かな別れも良かった。


「許されるのならば、あなた達の行く末を最後まで見届けたかった」


さっき士郎に「話はまた、その後で」と言ってましたけどねえ……。セイバーもこうなる予感はありつつ、希望を込めての言葉だったのでしょう。でも、最後に微笑んで消えていったセイバーですから、Zeroの時の疑問と苦しみからは開放されたのだと、そう思えるのが救いです。


そして、最後までかっこ良くおいしいところを持っていくアーチャー。いくらなんでも現界しすぎだろとツッコミたいのは抑えつつ、彼の助けに感謝を。凛との別れはねえ……。劇場版でも見ましたが、ぐっと来ます。


「大丈夫だよ、遠坂。俺もこれから頑張っていくから」


ここで初めて「遠坂」。この台詞をうみだしてくるだけでも奈須さんはすごいと、心底思うところでありますよ。