ユリ熊嵐 第12話「ユリ熊嵐」

かつての紅羽が犯した罪。それは、銀子を人の女の子に変えようと願った傲慢でした。2人とも同じようなことを同時に願っていたとは。まさに純愛。


そして、今こそ紅羽は自らの罪を認め、新たな願いを訴えるのでした。それに答えて地上に散ったかけらが集まり、再び降臨するクマリア様。ライフ・セクシーたちもその一部だったんですねえ。クマリア様の姿が純花そっくりだったのは、紅羽の心情の反映でしょうか。


「クマリア様、どうか私をクマにしてください」


約束のキスを果たした紅羽と銀子は、透明な生徒たちの銃弾も無視して、階段を登り、どこか別の世界へと旅立っていくのでした。


終わった時の第一印象は「ああ、このラストはウテナっぽいなあ」というものでした。閉鎖的で排他的な学園から、流されずに自分の思いを貫いて脱出するに至る物語。紅羽と銀子の姿は、そのままウテナとアンシーに重なります。学園ではまたそのままの日常が繰り返されようとしますが、それでも少しの変化が訪れると。まさかサイボーグクマになっていたこのみがこんな役割を果たそうとは。


結局最後までユリとは何かとか、クマはどうだとか説明らしい説明もありませんでしたが「考えるな、感じろ」ということで。世間に流されるだけの透明な存在や、表面上だけの友達付き合い、そして、意に沿わないものを開くとして排除する集団心理の恐ろしさと、断絶に屈しない「好き」という心の勇気を描いていたのでしょう。


訳の分からないタイトルと、最初はいかにもなユリ描写にどうなることかと思いましたが、さすがは幾原監督、不可思議な世界観を半ば無理矢理にも納得させ、視聴者を引き込んでいきました。「クマショッーク」のジングルも印象的でしたね。


ああ、それにしてもるるちん、本当に亡くなってしまうなんて。天国でみるん王子と再会できたとはいえ、悲しすぎます。最後は紅羽、銀子と3人で笑っていてくれると思っていたのに。