Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 第7話「死闘の報酬」

アーチャーとキャスター、そしてアサシンとセイバーの激しい戦い、それに加え、士郎とアーチャーの主張のぶつけあいも見どころの回でありました。


アーチャーに乗り込まれながらも、余裕綽々のキャスター。自らは陣地で魔力を集め、防衛は召喚したアサシンに任せるという、なかなか合理的な戦法です。まあ卑怯といえば卑怯ですが、キャスタークラスとしてはそのくらいしないと、ということなんでしょう。だいたい、聖杯戦争ではセイバー、ランサー、アーチャーが三大騎士とか呼ばれていますが、これは他の四サーヴァントにとって冷たい扱いというものではありませんか? イリヤバーサーカー組とか4次のライダーとかならまだ勝てそうな雰囲気はありますが、キャスターとかアサシンとかは、どうやって勝ち残れというのでしょう。特に抗魔力の高い三大騎士に対処しなければならないキャスターは悲運。少し同情したくなるところでありますよ。


さて、キャスターは空中からビシバシとビーム砲魔術で攻撃。さすがはキャスターだけある威力です。アーチャーだけでなく、きっちり士郎にも撃ってくるあたり隙のないキャスターでしたが、アーチャーが士郎を助けます。もっとも、これで後で斬りつけるわけですから、なかなか行動が面倒なアーチャーさん。でも強い。干将・莫耶も悪くはないですが、やっぱりアーチャーと名乗るからにはカラドボルグ矢の方がかっこ良いし、似あってますね。UBWはアーチャーがちゃんと弓を使ってくれるのが嬉しいなあ。


一方、山門前でつばぜり合いを繰り広げるセイバーとアサシン。段上の利もあったのでしょうが、セイバーの斬撃を見事に受け流すアサシンに、セイバーも驚愕でした。ここの作画も細やかで説得力あり。現実だったらあの細い刀はポッキリいっていたでしょうが、そこはファンタジーなので折れないものなのです。そして秘剣・燕返しの迫力。十分にその脅威が感じられましたね。とはいえ、事前に予知じみた察知力を発揮して避けるセイバーが優秀すぎで、ランサーのゲイ・ボルグといい、必殺技なのにちょっと可哀想ではありました。


話を境内に戻して、アーチャーと対立する士郎。アーチャーの言うことはZEROの切嗣と同根なんですよね。全員は救えないから、少数を切り捨ててでも多数を救うのだと。これ、フィクションなので単純化されてはいますが、敷衍すればやはり現実世界の政治にもつながってくる話で。現実にどこで妥協しなければならないのか。しかし、あくまで理想を求めようとする士郎も、やはり主人公として正しいあり方だとも思うのです。ほんと、この点、物語としての描き方がしっかりしてますよね。キャラや世界の魅力もさることながら、骨太な物語の枠組みこそがFate人気の土台であるのだなあ、とあらためて感じるのでありました。